耕作放棄地の鬼灯

 一反歩ほどの耕作放棄地がある。雑木が生え、雑草は背の高さを超す。両隣の耕作者に迷惑がかかるので除草に重い腰をあげたのが7月、除草作業の途中、鬼灯を見つけた。

どこからか種が飛んできたのだろう。まだ実が青かったので、そのままにし、お盆に切り取って仏壇にお供えしようとした。この畑は祖母が丹精込めて作物を育てた畑だからだ。以来、忙しさにかまけてそのことをすっかり忘れていた。

 10月1日、久しぶりに除草作業再開。鬼灯は雑草の中でたくましく生き、きれいな赤い実をつけていた。私はこの静かな営みにとても感動した。大切に切り取り仏壇に供えたのは言うまでもない。